記事公開日: 2023.02.28
現在製作中の115系3000番台・3500番台です。
塗装段階(細かい表記類を貼る直前)まで進めました。
※ページ上部の記事投稿日表示が2023-01-18となっているのは、編集途中にスマホの誤タップで記事公開してしまったためです(その後下書きに戻しましたが、一旦公開した日付が残っています)
塗装剥がし
(前回の記事で書いた通り)IPAに1週間浸けたのち、塗装を剥がしました。歯ブラシで車体の塗装を剥がしていきます。気持ち良いくらいポロポロと綺麗に落ちていきます。
関連リンク:
IPA(イソプロピルアルコール)と漂白剤を使用した塗装剥離 塗装剥離実験室(TRM)
dc-crafts.main.jp
ただ前回触れたように容器内のIPAの量が少なく、塗装剥がしの作業に苦労しました(液面が車体ギリギリのため塗膜を剥がす作業がしにくい)。やはり、(模型に限らず)何事も余裕をもって行った方が良いです。
塗装が残っていないか確認をし、車体を水洗い。その後凹部分に塗装が一部残っている箇所を見つけたので、爪楊枝+セロテープで剥がしていきます。
※IPAに浸けた後の車体をシンナー(うすめ液)に接触させると樹脂が崩壊する場合があるそうで、今回シンナーは使用していません。
ネットで以下のような記事を見かけました。
(前半のIPA2年浸けは驚きますが…)リンク先ではIPA浸けののちうすめ液に浸けているようです。
もしかすると、浸け置きではなくシンナーを染み込ませた綿棒で車体を軽く擦る、といった程度なら問題は無いのかもしれませんが(以前IPA浸けにしたバスコレをシンナー綿棒で擦ったことがあるが問題なかった)、今回は念のためシンナーを使わずに進めました。
車体加工
※以下に載せる加工は車体塗装後に行っているものもあり、実際の作業順序と掲載順は一部異なります。
■3500番台 屋根穴パテ埋め
中間の3500番台については、屋根上クーラーの前後にある小さなクーラー?が撤去された状態を再現するため、取り付け穴をランナーとパテ(GSIクレオスのMr.ホワイトパテ。ラッカー系)で埋めています。
■貫通扉の加工
製作する30N更新車は貫通扉が窓の大きいタイプに交換されているので、それも再現しました。
なおマイクロエース製品の115系3000番台は、30N更新車でも貫通扉は窓の小さいままです。
元の貫通扉の窓を下方向へ広げ(ピンバイスでコの字形に穴あけ→くり抜き、右の車両)、上からタミヤのt0.1プラペーパーで作った扉を貼り付けています(左)。
このタイプの貫通扉が付くと、ものすごく "JR西日本の車両" という感じがします。
塗装
車体の塗装について。
塗装前に加工する箇所が無いか(特に車体側面)、改造種車と製作する3000・3500番台(30N更新車)について調べたところ、特に見当たらなかった(誤り、後述)ためそのまま塗装しました。
■調色
車体色(黄色):
タミヤ XF-3 フラットイエロー + タミヤ XF-2 フラットホワイト(少し)
屋根上グレー:
GMカラー 9番 ねずみ色1号 + タミヤ XF-66 ライトグレイ(少し)
※屋根は後述するマイクロエース完成品に色調を合わせています。
細部 色差し(ドア取っ手等):
タミヤ X-11 クロームシルバー
貫通扉:
タミヤ XF-52 フラットアース + XF-66 ライトグレイ(←うろ覚え)
(※床下機器、台車の塗装については後述)
■車体色の黄色について
2022年、徳山駅
山陽地区で見られる黄色一色の塗装、"末期色" などと呼ばれ、ファンの間ではあまり良い印象がないと思います(私も初めこの塗装は良く思わなかった)。
この塗装へのマイナスの印象については、(元の塗装が秀逸だった点もあるのでしょうが)、黄は色の三原色にもある基本的なカラーである(何かと何かを混ぜ合わせた色ではない)のが原因の一つではないか… と思います。
このことを考え、実物に乗車したときの "シンプルな黄色" という印象を再現するべく塗装しました。
使用する塗料についてはこの "単純な色" という点に加え、実物の色は "何となく近鉄バスの黄色に似ているなぁ…" と思ったことから、近鉄バスの塗装でも使っているタミヤのフラットイエローをベースに使用。
これだけだと少し濃いめに感じたため、白を混ぜています(単純さを出すために他の色を混ぜるというのは一見逆説的にも見えますが…)。
■3000・3500番台 30N更新車と未施工車の差異
2022年、徳山駅
車体の塗装後、115系3000番台・3500番台の30N更新車は側面乗降扉の横の下部にある点検蓋が埋められていることを知りました。確かに実物写真をよく見てみると、蓋のないフラットな状態です。気づかなかった…
ただ塗装後であり、大して目立つ部分でもないため、今回はそのまま製作することにしました(塗装前に気づいていれば埋めていたと思います)。
そもそも今回の製作で使用した種車も、(中間は117系ですが)先頭は115系3000番台の30N更新車で、製作する車両と全く同じです(塗装を塗り替えているだけ)。製品自体、30N更新車であるのに蓋のある状態となっています(おそらく屋根だけ通風器無しの金型にして側面は共用?)。
製品でさえこれなので、そこまで気にすることではないかもしれません。
<マイクロエース製品(濃黄色)を入手>
そして黄色の塗装が終わった段階で、2022年12月下旬のぽちフェスにてマイクロエースの115系3000番台(濃黄色)を入手しました。
品番: A-7230
商品名: 115系3000番台 濃黄色 クーラー交換車 4両セット
本州西端で現役! 2扉の115系
(パッケージの実物画像、どう見ても徳山駅の留置線ですね…)
模型の製作中という微妙なタイミングでの入手です。ただ、私はこの製品の入手以前から、今回製作中の3500番台組み込み編成だけでなく3000番台のみで組まれた4両も欲しいと思っていたので、ちょうど良いです。
早速製作中のものと比較してみます(奥: マイクロ濃黄色、手前: 製作中)。
※色調はモニターの調子により実際と異なって見える場合があります。
製品(奥)と製作中のもの(手前)では黄色の色調がかなり違っていました。製品は色が濃く山吹色という感じで、正直ちょっと違和感があります(同じマイクロ3000番台の濃黄色でも過去の製品はまた色調が違うらしい)。
一方の製作中の方は、実際に乗車したときの印象を思い出しながらの塗装なので、良い色合いになっているかと思います(←あくまで自分の主観)。
マイクロの方はいずれ黄色を塗り直そうと思います。
そして屋根上のグレー。この段階ではまだ未塗装ですが、制作中の方はマイクロ製品と並べても違和感が無いように色調を合わせることにしました。
塗装後(一番奥の5両目が製品)
前述のようにGMカラーのねずみ色1号とタミヤのライトグレイを使用しています。
実物写真。分かりにくいが…(2018年 徳山駅)
なお先頭の屋根上グレーの塗り分けについては、マイクロエース製品(1枚目左)および実物写真を参考にしています。
塗装剥離前に外していた信号炎管は再び取り付けて黄色に塗装しています。実物の信号炎管、なんでグレーの塗り分け位置に植わっているのに黄色塗装なんだ… と思いつつ
屋根上グレーの塗装後、外していた無線アンテナを再取り付け。当初はTOMIXの無線アンテナを使う予定でしたが、脚の位置が合わないため結局元のマイクロ製を使用しました。取り外し時に脚が一部折れていたので少々面倒でしたが…
■クーラーの塗装(中間のみ)
シルバーに塗装した中間車のクーラー(真ん中2両)
屋根上クーラーの色は先頭の3000番台がシルバーなのに対し、中間の3500番台に使用する117系はグレーです。色を統一するため中間車のクーラーをシルバーに塗装しました(先頭をグレーにする方法もあるが、シルバーの方が見栄えが良い・他の鉄道模型のクーラーも多くがシルバーであるため)。
元の塗装をペイントリムーバーで落とし、先述のようにタミヤのクロームシルバーで塗装しました。上画像で先頭車のクーラーと比べても、(やや雰囲気の違いはありますが)違和感なく出来たと思います。
■細部の色差し
乗降ドア下部、ドア取っ手、乗務員扉と前面貫通扉のドアノブを銀色で塗装。細部の色差しをすると引き締まった印象になります。
なお実物は乗務員扉の下部に "日" 型の取っ手がありますが、今回は省略しています(塗装前の凹凸加工を忘れた。マイクロ製品はモールド無しの車体に銀色の印刷がある)。
■貫通扉
貫通扉を塗装。前述のようにタミヤのフラットアースとライトグレイを使用(←うろ覚え)。
適当な調色なので少し濃すぎる気もしますし、そもそも実物の貫通扉がこの色かどうかも分からない(車内写真で写っているのはあくまで内側)ですが、目立つ部分ではないので良いでしょう。
床下機器、台車の塗装
床下機器、台車については、先頭車(3000番台のマイクロ製品)はグレーなのに対し、中間の3500番台(種車117系)はそのままでは117系仕様の黒色で、バラバラの色になっています。
色を揃えるために床下機器、台車を塗装。グレーの色調を先頭車に合わせるのが面倒なので、4両分全てを塗装しました。
台車の素材には軟質プラが使われているため下地処理をしました。模型の塗装で軟質プラの下地処理を行うのは初めてですが、色々と調べた結果、GSIクレオスのMr.プライマーサーフェイサー1000を使ってみることにしました。
ところがプラサフを吹いたあと、台車を触っていると表面が剥がれてきました。どうも軟質プラの下地処理には不向きのようです。
ただプラサフにどのぐらいの効果があるのかを確認したかったので(というのは表向きの理由で実際には下地処理のやり直しが面倒だったため)、そのまま塗装してみることにしました。
塗装はタミヤのXF66 ライトグレイ、GMカラーの9番 ねずみ色1号、タミヤ XF52 フラットアースを使用しています。フラットアースを加えたのは、床下機器が少し汚れた状態をイメージしてのものです。
こんな感じで一旦塗装は終わりました。ただ台車の塗装が剥がれやすいので、いずれ今の塗装は落として軟質プラに対応するプライマーを購入し、試してみるつもりです。
<その後>
色々調べてみると、どうもガイアノーツのマルチプライマーが良いらしいと分かりました。
ただ購入しようと模型店や通信サイトを見たところ在庫はありません。
どうもリニューアルのため生産終了になっているらしく、以下のガイアノーツ公式のツイートでは "来年(=2023年)初旬くらいにかけて発売できるように準備" しているそうです。発売されたら購入しようと思います。
【お知らせ】リニューアルの為、生産を終了しました「P-01ガイアマルチプライマー」ですが、リニューアルに少し時間がかかっています。申し訳ございませんが、来年初旬くらいにかけて発売できるように準備していますので、もう少しお待ち下さい。
— 【2/26 キャビコ5周年記念イベント参加】ガイアノーツ (@gaianotes) 2022年11月4日
内装加工
車体の工作に飽きたので、内装加工に取りかかりました。
中間の3500番台。117系仕様のままの枕カバーの白色が目立つ座席です。山口の3500番台にはこのような枕カバーは設置されていません(かつて岡山に在籍した3500番台は枕カバーがあったらしい)。
枕カバーの塗装はマイクロエース製品の良い部分だと思いますが、これが裏目に出てしまっています(←個人が勝手に改造した結果なだけ)。
それに加え、3500番台は117系からの改造時にクロスシートが一部ロングシートに取り替えられており、座席配置が異なります(ドア間は中央付近の4列を残してロング化。車端部はクロスのまま)。
これらの点を簡易的に再現。枕カバーの塗装をシンナーで消し、クロスシートの背もたれを一部カットしました。窓からよく見える部分のみをとりあえず加工した、という感じです(特に枕カバーの白は悪目立ちしてしまうので、これを消すだけでも効果は大きい)。
実際の座席モケットはもっと明るい色ですし、一部がロングシートです。いずれ本格的な内装加工をしようと思います。
それはそうとこのマイクロ製品、転換クロスの端の向かい合わせ部分のシートピッチが広すぎませんかね… これはどう見てもおかしいでしょう。
とりあえず形に
※画像はライトユニット非組み込み状態
標記類や行先表示はまだですが、"黄色い2扉の115系" がとりあえず形になりました。
中間車(2枚目中央、3枚目右)を見ると、隅にRの付いた窓、形状の異なる台車、屋根上の長いランボード(30N更新工事時に新鮮外気導入装置(クーラー前後にあった小さめの箱)を撤去した名残)… 等々、3500番台らしさがあります。
…と、こんな感じです。
これから車番や行先表示などの貼り付けを行っていく予定です。