青リボン6858のブログ

鉄道、バス その他

115系3000番台・3500番台の製作(塗装落としまで)

メモ代わりに。現在マイクロエース製品をベースに115系3000番台・3500番台を作っているので、その途中経過です。

(前回の記事で "次はバスコレ改造の阪急バスの記事を書く" とか何とか言っていましたが変更)

115系3000番台・3500番台について

言わずと知れた国鉄近郊型電車の115系ですが、その中に3000番台・3500番台があります。


2022年、徳山駅にて

3000番台は1982年に広島地区で導入された車両です。
競合する交通機関への対抗として、2扉車・転換クロスシート(一部ロングシート)となっているのが特徴で、顔こそ115系であるものの側面や車内は117系に近い姿となっています。

現在は広島地区の227系導入により、山陽本線岩国~下関間で使用されています。
なお2004年から行われた30N延命工事により屋根上の通風機が撤去されるなど、外観がオリジナルの姿から変化しています。

3500番台も同じく115系の2扉車ですが、余剰となった117系中間車からの改造で生まれた車両です(JR化後の改造)。3000番台の先頭車と編成を組んで使用されています。

※その他、従来車と組み合わせるため先頭のみ新造した例や、編成内の一部車両のみの差し替え、3000番台先頭と3扉115系との混結などがあったようですが、ここでは割愛します。


2018年、徳山駅

3000番台・3500番台は広島地区のみで導入された車両であり、マイナーな車両といえます。私も徳山へ行って初めて乗った時、"115系の2扉…? 117系じゃなくて…??" と思ったものです。

何度か山口へ行き乗車するうちにこの車両の模型が欲しくなってきたので、今回製作することにしました。

(※実車について詳しく解説しているサイトのリンクをページ一番下に貼っています)

種車購入

115系の3000番台はマイクロエースから模型化されています(3500番台は製品化なし マイクロから模型化されているようです)。ただ同社の製品は発売直後でない限り新品での入手が困難で、再生産も基本的になく、簡単には手に入りません。

ということで中古店を回ります。ただ元がマイナーな車両のためか中々見つからず。


2022年9月、エキスポシティのポポンデッタにてジャンクのマイクロエース117系の中間車2両を購入。これを改造して3500番台にします。これだけでは先頭車も動力車(中間)もなく編成が組めませんが、とりあえず中間が手に入ったということで…


2022年10月、難波のぽちフェスにて115系3000番台 30N更新車の4両セットを見つけたので購入。ただこれは増結セットで動力車がなかった(もちろん基本セットが欲しかったものの増結しか無かった)ので、編成を組めるようジャンクでKATOの117系中間車2両も同時に購入。

これで、マイクロ 115系3000番台先頭 + KATO 3500番台(内1両動力車) で編成を組む目途がたちました(あくまで当初の予定)

製作する編成を3500番台組み込みとしたのは、異系列からの改造車があった方が面白いのと、模型の入手の都合(3000番台の動力付き中間が手に入らなかった)によるものです。

整備

まずはジャンク動力を整備しスムーズに走れる状態に。連結器が台車マウントKATOカプラーだったので、マイクロ製品と連結できるよう手持ちのアーノルトに交換しました。


試運転(※画像は動画からの切り出し)

前面カプラー交換、その他先頭部分



模型は増結セットなので片側の先頭車は連結を想定している訳ですが… 

アーノルトのボディマウント伸縮カプラー…?? 何だそれ…  某レビューサイトで見たため存在を知ってはいましたが、実際に見ると衝撃です。しかもこれ、設計が上手くないのか伸縮式の割には大して伸縮していないんですよね。

現在の山口の115系は増結をしない(はず)なので、付属のダミーカプラーに交換。しかしこのダミーカプラーはどうにも貧相だったので、TOMIXのボディマウントTNカプラーに交換しました(マイクロエース製品はTOMIXのTNカプラーが取り付け可能)。

対応品番についてはよく分からなかったので、TOMIXロマンスカーGSEに取り付けていたJC6326を数個取っ払って適当に付けたところ、問題なく取り付けられました。ただそのままでは台車の一部がTNカプラーの基部と干渉するため、台車を削りました。


左がマイクロエースのダミーカプラー、右がTOMIXのTNカプラー。TNに交換するだけで大分印象が良くなります。連結機能のないダミーカプラーよりも連結ができるTNカプラーの方が見た目も優れているって一体…

ところでこのマイクロ115系、スカートが縦長に見えます。よく見るとスカートそのものの形状ではなく、先頭部分の車高が高い(車体が床板から浮いている)ようです。先頭の屋根と床下を手で押さえてみると、引っ込んで良い具合になりました。
試しにライトユニットを取り外して車体を組み立ててみました。



上がライトユニット組み込み(通常)、下が外した状態です。ライトユニットを外すとかなり良い感じになります(この後ライトユニットの基板だけを外してプラの筐体+プリズムのみで組み込んでみましたが、2枚目と同じ感じになりました)。

おそらく基板の接点の反発力で車体が上がっているのでしょう。対策は後々考えます。

マイクロ車体へKATO動力を組み込み

編成ですが、最初に書いた通り マイクロ 115系3000番台先頭 + KATO 3500番台(内1両動力車) という組み方で考えていました。


奥がマイクロ、手前がKATO。窓ガラスの奥まり具合に差がある。

しかしこれでは同じ1つの編成なのにマイクロとKATOの混結になります。鉄道模型というものは同じ形式であってもメーカーによって雰囲気が異なってくるもので、出来ればこの115系マイクロエースの車体で統一したいものです(最悪、雰囲気の違いは中間が3500番台だからだと言って誤魔化すことはできますが)

その上、KATOの117系(の今回入手の旧製品)は屋根とクーラーが一体成型です(2020年発売の最新版では別パーツになっている)。一方マイクロについては(全部かどうかは分かりませんが)今回入手のものは別パーツです。
115系3500番台は117系時代にあった前後の小さいクーラー(なのか?)が撤去されている例が多いので、KATOの車体を使う場合これの再現が面倒になります。


ということで、マイクロエース117系の車体にKATOの動力ユニットが組み込めないか試してみました。

本当はマイクロエース製で揃えるのが一番良いのですが、マイクロの動力が手に入らなかったのと、同社の動力はご懐妊ダイキャスト崩壊の例があるなどあまり信頼できないので、使い慣れたKATOの動力を使用しました。



見たところ、KATOの動力ユニットは車体との固定が窓パーツ下部の凹凸によって行われているようです。この部分の窓ガラスをカットして利用すればマイクロ車体に嵌りそうです。

1枚目の赤丸で囲っている部分の爪が、2枚目の窓パーツの凹部分(赤丸で囲った部分)に嵌る構造です。2枚目の青丸で囲った部分で窓パーツと動力ユニットが当たり、高さが固定されるようです。

KATOの窓パーツから扉の窓部分のみをカットしてマイクロの車体に嵌め込みます。なお戸袋窓を含めてKATOを使おうとしたところ、微妙に寸法が違うのかマイクロの車体には嵌りませんでした。


上が製品そのままのマイクロ、下が今回改造で用意したKATO+マイクロ。

扉部分以外はマイクロの窓パーツを使用します。ただし一部がKATOの動力ユニットと干渉するのでカットしました(車端部を窓下ギリギリまで、扉間は下へ飛び出た出っ張り部分)。

扉部分の窓パーツはそのままでは外れやすいので、両面テープで車体に固定しました。

ところでマイクロエースの窓パーツは一部が接着剤で車体に固定されていました。こういうのは工作で分解する時かなり不便です。もしかすると製品そのものの仕様ではなく前所有者が接着剤で固定した可能性もありますが…


その他、動力ユニットの車体からの着脱がしやすいよう(車体を広げやすいよう)、矢印の部分(プラ製)を強度に支障のない範囲で削りました。


組み立てて試運転。右側がKATO動力組み込み車両、左側がマイクロの動力なし車。問題なく走りました。外観(車高など)も違和感なしです。

これで無事4両編成をマイクロ車体で揃えることができました。

その他

側面の行先表示器は窓と一体のガラスパーツ嵌め込み式です(このメーカー・車両に限らず一般的なもの)。そのままでは窓パーツを外すとき車体の厚みに引っかかって外しにくいため、車体内側を一部削ります。


行先表示器の下側をカッターで削りテーパー状にします(周囲に傷を付けないよう注意)。メーカー・車両を問わずこの加工を行っておくと、分解が楽になります。

塗装落とし


今回製作の115系は黄色一色に塗り直すので、元の塗装は落とします。今回はIPAを使用します。数年前にホームセンターで購入したガソリン車用水抜き剤です(パッケージにIPA100%と記載があった)。

IPAでの塗装落としは久しぶりです。ただ、液が入った容器を見たところ、蒸発したのか量が減っていました。車両が屋根まで浸かるか怪しかったので買い足すことに。

しかし店へ行ったところ目当てのIPA純度100%の水抜き剤は見つからず。帰宅後にもう一度容器の液の深さを確認したところ、一応屋根まで浸かる深さだったので "行けるやろ" で浸けることに(←こういうことはあまりしない方が良いです)。


車体は無事屋根まで浸かりました(ギリギリでしたが)。これで1週間ほど浸けてみます。

浸ける前に屋根上パーツを外しましたが、アンテナ類が接着剤で固定されていてうまく外れず… 列車無線アンテナは取り付け部の脚が破損しましたが、TOMIXの分売パーツがあるので良いでしょう。ホイッスルは外すのを諦めそのままにしました。しかし接着剤固定は本当不便だな…

という感じで、現状ここまでです。
これからちょくちょく進めていきます。

関連リンク

ネットで見つけたサイトのリンクを貼っておきます。

車両解説
ftnp6.web.fc2.com

編成表
sirasagi683kei.wiki.fc2.com



<メモ>
2022.10.19  本文訂正 (3500番台は製品化なし → マイクロから模型化されている)
2022.10.30  補足 (KATOの117系は屋根とクーラーが一体成型 → 2020年発売の最新版では別パーツに、マイクロは別パーツ → (全部かどうかは分からないが)今回入手のものは別パーツ)
2022.12.30  実車の説明について一部修正、前面TNカプラー取り付け時に台車を削ったことを追記