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バスコレ改造 防長バス3356(RJツーステップ) Part.2

バスコレ改造の防長バス旧塗装RJのPart.2です。この記事では塗装・表記類や内装などについて掲載しています。

※記事の分量が多かったのでPart.1とPart.2に分割しました。

Part.1はこちら↓
実物紹介、車両仕様の調査、模型の工作(塗装前段階まで)
bontan6858.hatenablog.com

 

(以下 Part.1からの続き)

■サフ吹き


今回の工作では、パテ埋め箇所に跡が残っていないか確認するため塗装前にサーフェイサーを吹きました(私のバスコレ改造では初めて)。Mr.プライマーサーフェイサー1000(グレータイプ)を使用しています。


サフ吹き、塗装まで終えた後の車体。サフを吹くことで、車体表面にややザラザラ感のある、プラ感を脱した良い雰囲気になるというメリットもありました。

 

■塗装

塗装は筆塗りで行いました。

<調色>

アイボリー:   タミヤ XF-2(フラットホワイト) + タミヤ XF-3(フラットイエロー) + 黒 (少量)

濃い緑:   GMカラー36番(青緑1号) + タミヤ XF-2(フラットホワイト) + Mr.カラー110番(キャラクターブルー) (少量)

薄い緑:   上記の濃い緑の調色に、白を多めに足す

広告部分 アイボリー:   車体のアイボリーの調色に、GMカラー11番(朱色1号)を足す

※メーカー等を記載していない色は任意のその系統のものを使用

防長バスの旧塗装について>


防長バス旧塗装と現行塗装(2018年、徳山駅)

防長バス旧塗装を模型で製作するにあたっては、 "旧塗装のアイボリーはどのぐらいの濃さにすれば良いのか?" という問題があります。

バスコレ製品において防長バス旧塗装というと、23弾でエアロミディが模型化されています。ただこの製品の塗装はアイボリーが明るすぎるため、正直違和感があります(※個人の感想)。

防長バス旧塗装を何度も見て実際に乗車した者としては、もう少し濃いめ(暗め)の色合いだと思います。

バスコレの塗装は不正確なのか、どうなのか…?  参考となる実物画像があります。


2022年8月の旅行で撮影した、萩の29号車(除籍済み)の後部です。リアバンパー付近のみが妙に白っぽくなっています。

29号車の車両紹介記事でも書いていますが、これはおそらくリアバンパー付近の白が本来の色合いで、他の部分は経年により暗めとなっているのでしょう。

つまりバスコレの明るい色合いも本来の塗装を再現しており間違いではなく、一方で私が実際に見てきた旧塗装は経年で暗めになった姿、ということになると思います(※推測)。

新車時の塗装を再現するのもありだと思いますが(むしろそれが普通?)、今まで自分自身が何度も見てきた防長バス旧塗装を再現するため、濃いめ(暗め)の色合いで塗装することにしました。


左が今回塗装、右が市販品 (※市販品は中扉およびタイヤカバー設置改造品)

アイボリーの塗装。濃いめの色合いというイメージを最優先にしつつ、市販のバスコレ製品と並べることも考えて極端に色調が離れないようにします。今回は色見本としてRJの名古屋市営バスを使用しました。

市販品(右)と比較すると、濃いめ(暗め)の色合いになっていることが分かるかと思います。

今回塗装したアイボリー、いかにも防長バス旧塗装という感じの良い雰囲気になったので、いずれ市販品の方も同様の色で塗り直そうと思います。


濃淡緑の帯を塗装中の様子。この後広告の地のアイボリーを塗装。

なお広告部分については、
・地の色ごと全体をデカールで作成する
・文字部分のみをデカールで作成する
という2通りがあります。

全体をデカールで作成する方が実物の広告ラッピングの手順に近いと思いますが、
せっかく再現したパネルラインが有耶無耶になってしまう可能性、地の色を含めた全体をデカールで印刷すると文字部分が滲んでしまうかもしれない懸念などから、今回は文字部分のみをデカール作成としました。

ここで広告部分の実物画像を。


実物の広告ラッピングは、よく見ると車体帯のラインがうっすらと浮き出ていました。今回はこれを再現する意図で、一旦通常の車体帯の塗装を行いその上から広告の塗装をしました。

ただ広告の塗装時、車体帯(特に濃緑)を隠蔽するため何度か重ね塗りをした結果、やや厚塗りとなってしまいました。模型製作においては、実物と同様の手順で作ることが必ずしもリアルになるとは限らないことが分かりました。

そもそも実物画像をよく見ると、車体帯が浮き出ているのは前輪後ろのみで他の部分はほぼ視認できません。無理に車体帯を全て塗装する必要は無かったかもしれません。

 

■表記類

■側面広告


作成したデカール


デカール貼り付け後の車体

3356の大きな特徴である山口日野自動車の広告。前述の通り地のアイボリーは塗装、ロゴ・文字部分は透明ベースのデカールで作成しました。

デカール近鉄バス0004の改造でも使用したハイキューパーツのデカール用紙(インクジェット用)を使用しています。見ての通り、細かい文字も綺麗に印刷ができます。

デカールについての詳細は上記0004の記事リンクを参照下さい。

ロゴマーク等は山口日野自動車のホームページから拝借、その他の文字はパソコンで作成しています。編集はペイントとExcelを使用しましたが、きちんとしたイラスト作成ソフトを使った方が良さそうです。

 

表記類


※クリックで拡大

側面、後面の社名表記も同様にデカールで作成。その他のステッカー類の再現or省略については、市販品のバスコレ防長バスに合わせています。

出入口表記と非常口ピクトグラムはトレジャータウンのインレタを使用。

前扉後ろの "一般" 表記は筆塗りで再現してみましたが(デカール再現は白抜き文字が面倒な上、"一般" 表記はサイズが小さく貼り付けが難しいと判断したため)、それなりの雰囲気は出ていると思います。

その他、車体の凹モールドに合わせて貼るエンジングリル・エアコングリルのデカールを作成しています。

 

■ナンバープレート、行先表示

ナンバープレートは近鉄バス0004の改造でも使用したEPSONフォトマット紙を使用しています(当初はデカールで作成しようとしたものの失敗し、デカールを印刷し直すのが勿体なかったため)。厚みがあるため貼り付け時は用紙の下の層を剥がしています。

行先表示も同様にフォトマット紙を使用。26弾RJは前面行先表示が嵌め込み式ですが、ステッカー等を貼り付ける際の奥行きの余裕が無いため、行先表示部分を模型用彫刻刀で削っています。

 

■前面社章


実車紹介で書いたように、3356は前面フロントガラス下に防長交通の社章が取り付けられていました。防長バスでも社章の付いた車は残り少なくなっており、 "一昔前のバス" を印象付ける特徴の一つでした。

この社章は何としても立体で再現したいと思いましたが、このサイズのものをプラ板からの削り出しで作製するのは困難です。

 

再現方法で悩んでいたところ、いすゞのおでこさんのバスコレ改造記事で、JRバスのエンブレムを写真用紙に印刷して切り出し、台紙を削いで貼り付けることで立体表現する、という方法を見かけました。

掲載されている記事:
oohasama912.hatenablog.com

この方法を参考に、用紙は個人的に使い慣れたフォトマット紙を使用、さらに防長の前面社章は形状がお椀型なので、用紙の下の層を剥がして薄くした後に爪楊枝の持ち手側(尖っていない方)で裏側から軽く押し、凸状にしました。


円形に切り出し→薄くして爪楊枝で押す→貼り付け

※行先表示の右端が白いのは実物もそうなっていたためです(幕切替え時に停止位置を検知するためのセンサーがあるのだと思います)


貼り付けにはタミヤ多用途接着剤(クリヤー)を使用しています。金属、プラスチック、木材、ガラス等様々な素材の接着に対応している他、塗装面にも貼り付けができるため私の工作では多用しています。

 

■給油口蓋


改造で位置の変わった給油口蓋は当初、単純にデカール貼り付けでの再現を考えていました。これは実物の給油口蓋が銀色の枠線に見え周囲のパネルラインとは明らかに違うため、そのイメージを重視してのものです。

ただ実際に作成しデカールを貼り付けてみると、何となく安っぽい雰囲気を感じました。

給油口蓋デカールは銀色の代用としてグレーで再現しましたがその色調が濃すぎたのか、もしくは前述のように広告部分が厚塗りでパネルラインのモールドが薄くなり、相対的に給油口が目立ってやはり浮いて見えるようになったのか…

原因は分かりませんがとにかく納得はいかず、かといって塗装完了後の段階で給油口モールドの移植は不可能なため、細かい作業ですが枠線を銀色の筆塗りでなぞることにしました。


貼り付け前の台紙に付いたデカールをフリーハンドの筆塗りで銀色になぞり、成功したものを貼り付け。良い感じになったと思います。やっていることがおかしいですが…

 

■内装


実物の車内(青色は優先座席)


塗装前の状態

内装は実際に乗車した際のことが印象に残っているため、実物通りの座席配置を再現しています。

バスコレRJの内装パーツで2+2列のトップドア用は無いため加工。前中扉用をベース(紫色の部分)にホイールベース間はプラ板で床を作り、座席は余りの内装パーツからかき集めて貼り付けました。


運転席インパネは製品そのままでは位置が低いため嵩上げをしています。運賃箱はプラ板から製作(t0.5を2枚重ね)。

塗装については座席モケットや車内各部の他、背もたれの白いカバーも塗装しています。市販のバスコレにおいてもこの部分の塗装を行うと効果的です。

今回の加工では白色をそのまま塗るのではなく、黄色をごく少量混ぜて実物の年季の入った雰囲気をイメージしています。

なお実物はこのカバーが1ヶ所のみ外れていました(上の実物画像参照)。バスマガジン2021年7月号(防長交通の特集あり)で掲載されている外観画像からも、その様子が(辛うじてではありますが)確認できるため、模型もその1ヶ所のみ塗装を省略しています。

 

 

■ということで





加工したジオコレのバス停と共に。バス停標柱の形状や黄色いガードレールが山口らしい。

旅行で実際に乗車して強く印象に残っている3356号車ですが、模型として形にすることができました。

模型を眺めていると、もう見ることのできない旧塗装、二段窓の並ぶ姿、側面の広告など… 実物の雰囲気を思い出します。

この車両に似合うような田園風景のミニジオラマも作ろうと思います。

また防長バスのRJツーステップというと、丸目ライトの中扉折戸仕様(実車の床高さ比較の項目で載せた標準床車両)が多数派だったので、いずれそのタイプも製作しようと思います。

今回の工作はこれまでのバスコレ改造と比べ、実車の形態にこだわったものになりました。改造を重ねてだんだんと細かい部分も気になるようになった訳ですが、あまり気にしすぎても苦しくなるかもしれないので、大らかにやっていく方が良い気もします。

その他、製作中の他のバスコレも引き続き作っていこうと思います(防長バス1104(近鉄エルガミオ)、近鉄バス6237(ブルーリボンシティ)… 等)

<メモ>
2024.02.17  記事をPart.1とPart.2に分割