2024年3月の山口旅行の2日目です。
2日目 3/16(土)
この日は6:20頃起床。ホテルの無料朝食を食べます。
その後ホテル内の自販機でお茶を購入。ホテル内の自販機飲料が街中のものより安いのは東横インぐらいでしょう。
見慣れた徳山駅前
ホテルを出発し徳山駅から山陽本線に。今日は防府・堀でバス乗車をします。
防府へ
山陽本線 新山口行き
徳山7:43→防府8:10
乗車車両: クモハ226-31
山陽本線で防府へ。227系です。車内は空いていて海側のクロスシートを確保。
反対方向に115系の瀬戸内色復刻塗装が来たため撮影。
227系の車内に戻り、7:43に徳山を出発。
外の景色。新しい車両なので走行音は静か、揺れも少ないです。
途中富海付近では綺麗な海が見えました。
30分弱で8:10に防府到着。
コインロッカーに荷物を預け、防府駅から内陸の堀までバスに乗車します。
ここ防府から堀へは、かつて防石鉄道という鉄道路線が伸びていました。
<防石鉄道について>
防石鉄道は、かつて三田尻(現防府駅)と堀(徳地町・現山口市)とを結んでいた鉄道路線です。
1919(大正8)年に開業(三田尻〜上和字間、翌年堀まで延伸)。元々は "防石" の名の通り石見へと向かう陰陽連絡路線を目指して建設されましたが、国鉄山口線の開通などにより断念。
以降は三田尻(防府)と堀とを結ぶ地域交通として旅客・貨物輸送を担ってきましたが、1964(昭和39)年に廃止となりました。
バス事業は防石鉄道バスとして存続し、廃止となった自社鉄道線の代替バス・その他バス路線を運行していましたが、1992(平成4)年に防長交通へ吸収合併となっています。
現在、防府駅近くに当時の蒸気機関車・客車が保存されている他、防石鉄道バスカラーの復刻塗装車が防長バスにて運行されています。
バスで堀へ
ちょうど防石鉄道バスの復刻塗装車が来たため乗車。中山経由の堀行き。乗客は他に数人。
8:50防府駅を出発。
防府の市街地を抜けた後は、川(佐波川)沿いを北へと進んでいきます。防石鉄道は佐波川の左岸(東側)を走っていたのに対し、この系統のバスは右岸(西側)を走行しています。
バス車内からは黄色いガードレールのある山口らしい風景が見えました。この対岸を昔鉄道が走っていたのか… と思いながら外を眺めます。
乗車していると、乗り込んできた乗客と運転手さんが挨拶をしていました。田舎なので乗客が顔見知りなのかもしれません。
約40分で9:28頃、終点の堀に到着。
堀のバス停は車庫(堀駐在)の敷地と一体になっていて、乗り場のホームが1面設置されています。待合室もそばにあり、田舎のバス路線の拠点という雰囲気です。
堀駐在の車庫(バス乗り場から)
待合室・窓口
※クリックで拡大
そしてバス乗り場ホームの頭上には、徳地町の観光案内地図がありました。徳地町が合併により山口市の一部になったのは2005年なので、それ以前からあるのでしょう。
地図上に書かれている新南陽市、鹿野町、阿東町の市町名も今はありません(新南陽市・鹿野町→周南市、阿東町→山口市に)
ここで、堀駐在に在籍する特徴的な車について触れておきます。
<堀駐在の1094(エルガミオ7m)について>
近鉄バス時代の9006(2016年2月、JR千里丘)
堀駐在には元近鉄バスの山口200か1094が在籍しています。近鉄では1台のみの導入だったエルガミオ7m車の元9006です。
近鉄では2000年代前半に四条畷市コミュニティバスで使用されたのち、摂津市内循環バスで2016年12月まで使用されました。
この車両は一昔前の近鉄バスの特徴である、発車時にフロント付近から "プープープー" と音が鳴る装置が付いていました。鳥飼管内ではこの9006が "プープー" 音の鳴る車として最後まで残った1台で、防長バス移籍後も2019年の乗車時点ではこの音が鳴っていました。
チョロQのような外観が特徴で、近鉄バス時代に摂津市内循環でよく乗車しました。防長バス移籍後も2019年に徳山で一度乗車しています(当時は周南所属だった)。
現在は堀周辺の路線で運用されているものと思われます。
今回この車両にできれば乗車したいと思いここへ来たものの(※あくまで目的の一つ)、運用に入っている姿は見かけず、堀の車庫を見てもその姿はありません。時刻表等を見ながら待合室でしばらく待ってみたものの、来る気配はなく…
ということで、乗車は一旦諦めることに。
まぁこの車両は防長バス移籍後も一度乗っているので、"できれば乗りたいなぁ" ぐらいの気持ちだったんですが…
堀周辺を歩く
その後、堀周辺を歩いてみました。コイン精米機のある田舎の風景ですが、スーパーやコンビニ、100円ショップ、ホームセンター、物産店などがあり、賑わっている印象です。
昼は近くの手作りパン・ピザ屋さんへ行きました。夫婦が二人で経営しているという感じの店で、パンは美味しく店内も静かで過ごしやすい雰囲気でした。
美味しいパンをゆったり食べることができたので、ここへ来て良かったなぁ… と。
バス乗車(徳地生活バス)
その後は防長バスの徳地生活バスに乗車しました。生活バスという名称ですがバス代を払えば誰でも利用できます。車は日野HRの7m車(山口200か1224)でした。
※一部系統はこのように乗り場ホームから離れて停まります。
12:40に堀を出発。
バスは田園風景の中を進んでいきます。石州瓦の民家、背後に緑の山、手前には(写っていませんが)黄色いガードレール、川のある景色です。田舎のバスという感じの、のどかな雰囲気です。
途中、狭い道に民家が立ち並ぶ集落(島地)へも入っていきました。
約10分で終点のロハス島地温泉に到着。乗車から下車まで乗客は自分1人。
ロハス島地温泉のバス停。
ロハス島地温泉。名前の通り温泉があります。お土産品などが多数売られていました。
ソフトクリームも販売されていたのでとても食べたかったのですが、腹痛持ちの体質でお腹を壊すかもしれないので止めにしました。
帰りのバスに乗車。元近鉄バスのリエッセ(山口200か1323)でした。
午前中に撮影した1323(※クリックで拡大)。近鉄バスの塗装そのままです。元車番の0114の表記もそのまま残っています。調べてみたところ0114は八尾営業所の車だったようです。
13:44にロハス島地温泉を出発。
行きと同様、石州瓦の民家、緑の山、川と黄色いガードレールのある、のどかな田園風景が見えます。
今回、元近鉄バスの9006には乗れなさそうですが、防石鉄道の復刻塗装バスで堀へ来て、この生活バスに乗れただけでも大きな収穫でした。
13:56頃堀に到着。やはり乗客はずっと自分1人。
堀へ戻った後、近くのお土産店 “南大門” へ。島地名物らしいさくら饅頭を買いました(画像は後ほど掲載)。旅行中小腹が空いたときに食べるつもりです。
防府へ
防長バスで防府駅へ戻ります。中山経由の防府駅行き。来たのは現行レインボーの山口200か1332。
14:23堀を出発。
途中の景色。行きと同様に佐波川の右岸を進んでいきます。田舎の風景です。
市街地に近づき、建物が増えてきました。
堀から約40分で15:00頃、防府駅に到着。
防府駅前でバスを撮影。
中国JRバスのエアロスターノンステップ 534-22905。
防長バスのHR 260。
よく見ると車体の隅が一部錆び付いています。KK-HRも古い車両に入るんだなぁ… と。
現行レインボーの1130。中ドアそこで止まる?
<防石鉄道保存車両を見る>
この後、防府駅近くに保存されている防石鉄道の車両を見に行きました。この場所は2022年夏の旅行でも来ています。
高架化前の山陽本線の線路・敷地を一部活用したものが "防石鉄道記念広場" として整備され、蒸気機関車+客車2両が保存されています。
蒸気機関車(2号機関車):
1894(明治27)年製造。ドイツ・クラウス社製。川越鉄道(現西武鉄道)で使用されたのち、1918(大正7)年に防石鉄道へ譲渡。
客車
ハ6(画像右手前):
1899(明治32)年、平岡工場(東京)で製造された客車。当初は中国鉄道(現津山線・吉備線)で使用(後に国有化)、その後防石鉄道へ。
ハニフ1(画像左奥):
1919(大正8)年、枝光鉄工所(福岡)で製造された客車・荷物合造車。当初より防石鉄道で使用。
なおこれらの蒸気機関車・客車については、廃線前の晩年における使用頻度は低かったそうです(旅客輸送は気動車、貨物は小型ディーゼル機関車が使われていた)。
<参考>
・現地の説明板
・(書籍) 高井薫平著 "昭和30年代~50年代の地方私鉄を歩く 第26巻 中国地方の私鉄" (フォト・パブリッシング、2022年)
(※クリックで拡大)
防石鉄道の歴史を記した石碑。
(※クリックで拡大)
路線図のレリーフ。
蒸気機関車の運転室。箒が置かれています。おそらく防石鉄道OB会の方が定期的に清掃をしているのでしょう。展示車両は綺麗で整備が行き届いている印象です。
徳山へ
山陽本線 岩国行き
防府15:55 → 徳山16:22
乗車車両: クハ115-3019
山陽本線で徳山へ向かいます。115系、運良く海側のクロスシートが空いていたので着席。
15:55防府発。
行きと同様、やはり綺麗な海が見えます。
内陸部の景色。
防府から30分弱で、16:22に徳山到着。
徳山で防長バスに
徳山でバス乗車をします。
待っている間少しお腹が空いたので、先ほど堀で買ったさくら饅頭を食べました。
80周年復刻塗装(青バス)と、'02年式近鉄RJの1114。
復刻塗装車。側面にあった "おかげさまで80周年" の文字はいつの間にか無くなっていました。
(参考) 2018年2月撮影の同車
現行レインボーと近鉄ブルーリボンシティ(KN模様そのまま)。
バスに乗車します。
長田海浜公園行きに乗車。この路線は初めて乗ります。
車両は近鉄RJの山口200か1115。おそらく元鳥飼の1207です(→詳細 2022年8月の旅行記事)。帰りの時刻を調べて(時間的に戻って来れることを確認して)乗車。
17:45に徳山駅前を出発。
内装は近鉄バスほぼそのままで、車内のステッカーに近鉄バスの文字も残っています。元鳥飼なので、大阪でよく乗車しました。
バスはイオンタウンや海岸沿いの工業地帯のそば、住宅地、団地を通っていきます。
徳山から30分ほどで、長田海浜公園バス停に到着。
折り返し待ちの間に近くの長田海浜公園へ。
綺麗な砂浜と遠くにコンビナートの見える光景が独特です。
再びバスに乗車。
バス停の周りは住宅地で、昔よく利用した近鉄バスの春日丘循環とも似ています。住宅地にバスが停まる光景は "生活の足" という印象があります。
出発待ちで停車するバス
後方に海が写っています
再びバスに乗車。外は暗くなりかけています。
18:37長田海浜公園を出発。
行きと同様に住宅地や工場地帯の近くを通ります。
外は段々と暗くなっていきます。乗車して外を見ていると、暗い道の前方をバスがライトを照らして走っている様子が見えました。
暗い道路で前方を照らしながら走るバス。もしバスが無ければ、この暗い道を自力で(徒歩で)長時間歩くのは厳しいでしょう。
外の景色を見ながら、小さい頃から今まで、バスを利用してきた色々な場面を思い出しました。
物心が付いてから15年くらいの間は茨木市在住でした。駅から離れた地域に住んでいたため、駅までの移動は車orバス利用、特に1人で家へ帰るときは必ず近鉄バスを使っていました。
高校は阪急バスで通学。
大学は基本電車利用でしたが、梅田へ行く用事がある場合などは市バス(シティバス)を利用していました。
そして会社もバス通勤です。不便ではありますが、バス停で会社の人と会ってそこで世間話をしたり、仕事が上手くいかない場合に気軽に話をしたりといった場面があり、そういったおかげで仕事を続けられた部分もあります。
思い返せば自分にとって、バスは小さい頃から今まで常に生活の一部であり、色々な記憶や思い出があります。
そして今乗っているバスは、前述の茨木市在住だった頃によく乗車した記憶があります。茨木市から転居する直前、最後に近鉄バスを利用して帰宅したときに乗った車が2002年式のRJ(1207 or 1208)でした。
昔よく乗車したバスが、ほとんど姿を変えずに山口でも多くの人を乗せて走っているのは嬉しいことです。
さらに今乗車しているこのバスは日野製です。大阪の近鉄バス本体では統合車種を除いた日野製のバスは(路線車では)残り僅かになっています。小さい頃から見てきた、馴染みのある角張った日野車体工業ボディのバス、聞き慣れた日野の走行音は落ち着きます。
そんなことを色々と考えながら、30分ほどで徳山駅前に到着。
新山口へ
山陽本線 新山口行き
徳山19:35 → 防府20:02
乗車車両: クモハ227-31
山陽本線に乗車します。
ホームで電車を待っていると貨物列車が入ってきました。様々なコンテナを載せた貨物列車は見ていて面白いものです。
その後乗車する電車が入線。新山口行き、227系。
19:35徳山発。
夜のため車内は空いています。外は暗く景色はほとんど見えません。
30分弱乗車し、20:02防府で下車。コインロッカーから荷物を取り出します。
山陽本線 新山口行き
防府20:28 → 新山口20:44
乗車車両: クモハ226-63
再び山陽本線に乗車。
電車は新山口行き、227系。今回の旅行は227系によく当たります。
20:28防府発。暗い中を進んでいきます。
約15分で20:44に新山口到着。反対方向の115系と並びました。
宿泊するホテルアルファーワン小郡へ向かいます。
(1月の旅行記事でも軽く触れましたが)アルファーワンは富山発祥のビジネスホテルチェーンで、東北から九州まで展開しています。特に西日本の地方都市でよく見かけますが、その中でも中規模クラスの都市へ立地し、ある程度以上大きな都市には無い(例: 岡山市、広島市、下関市などには無し)という独特の展開をしています。
ホテルはベージュの外壁に “α-1” と大きく書かれた屋上看板が目印。入口は丸いガラスの扉で、エントランスの装飾は何となく豪華。
朝食は最近のビジネスホテルではやや珍しい別料金ですが、それなりに充実しています。その他、休日に宿泊するとチェックアウト時に抽選会があります(今回宿泊した小郡では無し)。
色々と特徴的な要素のあるビジネスホテルです。
ホテル外観。名称は "ホテルアルファーワン小郡" です。 "新山口" ではなく "小郡" なのが良いですね。
ホテル入口。前述の通り丸いガラスの扉が特徴です。そしてこの扉を入ったところで数段の下り段差があり(黄色い注意喚起が置かれている辺り)、ロビーの床は入口より低くなっています。ホテルアルファーワンに共通する謎構造です。
昨日の東横インに続き、ここでも自動チェックイン機がありました。スタッフの案内で機械を操作してチェックイン。ポイントが貯まるカードの発行も行いました。
小郡のアルファーワンは数年前にリニューアルが行われたらしく、部屋はかなり綺麗でした。
夕食を食べ、12時半頃就寝。
3日目へ続きます。