青リボン6858のブログ

鉄道、バス その他

【過去作】バスコレ改造 近鉄バス6858(ブルーリボンワンステップ)

過去に作ったバスコレの製作過程の紹介です。

近鉄バス 6858(ブルーリボンワンステップ)




(※上4枚 画像クリックで拡大)

模型製作期間:    2017.12~2018.08
主な種車:   
   バスコレで行こう1 龍神バス
       (車体前半分,一部窓ガラス)
   日野ブルーリボンHT/HU 5台セット
       京王バス (車体後ろ半分,一部窓ガラス)
   ワンステップ車(車種失念)
        (低床タイヤ JIS 6穴ホイール)
   全国バスコレ JRバス東北 エルガ(内装パーツ)

主な加工箇所:    ツーステップ→ワンステップ化、尺延長、屋根クーラー(一体成型)撤去、側面窓ガラス製作

4年くらい前にブルーリボンツーステップベースで作ったワンステ車です。

※今ならブルーリボンシティワンステップがあるので、それをベースにした方が作りやすいと思います。

 

実車について>


現役時の姿 (※画像はえぃばるさんより許可を得てお借りしています)

形式:  KC-HU2MPCA
年式:  1998年
所属:  鳥飼営業所 (後に1台が松原へ転属したらしい。工作編で貼る近鉄バス百科リンクも参照)

近鉄バスの鳥飼営業所に十数台導入された、日野ブルーリボンワンステップです。

仕様は長尺のMT車です(他営業所では同型車で短尺・ATも導入された。このほか大阪産業大学の送迎バス用として長尺の専用塗装車もあった)。

窓が逆T字の透明であるなど(茶色スモークのメトロ窓だったツーステップ車と比較して)標準的な姿ですが、後輪カバーの装備や、バンパー切り欠きで設置されたリアナンバープレート(工作編で後述)、発車時にフロントから鳴る "プープープー" という音など、 近鉄バスらしい仕様が見られました。

数が多かったこともあり、2000年代における近鉄バス茨木エリアの "顔" として活躍しましたが、大阪府流入車規制により2011年 ブルーリボンⅡノンステップ(LKG-KV)に置き換えられ引退しました。


防長バス移籍後。2017年。(自身撮影)

引退後は明光バス防長バスジェイ・アール北海道バスに移籍(調べた限りではこの3社)しましたが、2022年現在 明光バス防長バスからは全車除籍済みです(ジェイ・アール北海道バスについては情報が入手出来ていませんが、年数および冬季の融雪剤の影響からして厳しいと思われます)

特に防長バスでは、近鉄バス時代の塗装ほぼそのままで活躍しており(明光バスでも移籍時は近鉄バス塗装だったらしいが、その後塗り替えられた)、大阪の頃そのままの懐かしい姿を見ることが出来ました。私が防長バスに興味を持つようになったきっかけです。


私にとってはこの車は、物心ついた頃から非常に馴染みのあった車両で、バス好きの原点ともいうべきものです。あのエンジン音を響かせて茨木の街なかを走る姿は今でもよく覚えています。

なお今回製作した模型の社番を6858としているのは、この車両の現役時(当時バス趣味には殆ど足を踏み入れていなかった)に社番を実際に見て、覚えていた唯一の車両であるためです。

以下模型工作の内容です。

注意点:  当然ですが、この記事で載せる工作はメーカーが全くサポートしていない、個人が勝手に行ったものです。この記事により万が一損害が生じても責任は負いません。
また工作は自己流です。あまり参考にしない方が良いかもしれません。

 

<工作について>

雰囲気重視です。実物の細部の形状で殆ど記憶に残っていない部分は省略しています。ただし、自分の中で強く印象に残っている "その車両の特徴" ともいえる部分は妥協することなく再現しています(つもり)。

 

■塗装剥離

バスコレ・鉄道模型の塗装剥離にはIPAを使うことが多いですが、当時の私はIPAを持っていなかったのと、製品のヘッドライト周りの塗装をそのまま生かしたかった(この部分の細かい塗装が大変。製品は綺麗に塗装されていた)ので、Mr.カラーのアクリル塗料用うすめ液を綿棒に付けて剥がしました(Mr.ペイントリムーバーを使ったかも。性質的には同等品)。

注意:  うすめ液(・ペイントリムーバー)を使用する場合、模型の浸け置きはできません(ABS樹脂の場合車体が崩壊します。やったことないですが)。うすめ液等で可能なのは綿棒で車体をこするといった、あくまで短時間の接触のみです。

ただしうすめ液等+綿棒の短時間の接触でも、車体が破損する場合があるようです(特にABS樹脂が使用されている最近のバスコレ製品)。
私のこれまでの工作では、ABS樹脂の製品でもこの方法で破損したケースはほぼ無く(肉薄のエルガミオで1回のみ)、問題は無いと想定していましたが、うすめ液+綿棒でも破損例があるそうなのでその旨を記載しておきます。


ライト部分を残して塗装を剥がした前面

 

■車体(ワンステップ化)

参考にした実物の画像(防長移籍後)。(※クリックで拡大)

2017年に撮影した真横画像。この画像を元に車体細部の寸法を割り出しました。
なお車体全長などの寸法は近鉄バス百科に掲載されていた情報を元にしています。

※リンク(インターネットアーカイブ)→
https://web.archive.org/web/20090125012248/http://kinbus.s41.xrea.com/car1/hu6000-1.html

車体の主な加工箇所
・ホイールアーチを小さく
・パネルラインを低い位置へ
オーバーハングの切り上げ加工
・側面窓拡大(+窓ガラス製作)

■ホイールアーチの加工

当初はネットで見つけた加工例を参考に、元のツーステップのホイールアーチのモールドを削って平らにし、その内側にホイールアーチとしてエバーグリーンのt0.25プラ板を細く切って貼り付けました。

しかしこれだけでは不十分で、単純に元のモールドを削るだけでは側面窓下辺~ホイールアーチ間の距離が十分稼げないことが判明。近鉄バスの場合前輪上のこの位置に模様が入るのでここの寸法は重要です。


左→中央→右 の順番 (※クリックで拡大)。良い写真ではないですが、製作途中の画像がこれぐらいしか無かったので…

そこで、1枚目(一番左)のように元の車体にタミヤのt0.1プラペーパーを何枚か貼り付け厚みをつくってから(その後積層痕を無くすためパテ埋め)、2,3枚目のようにt0.25エバーグリーンプラ板を貼り付けました。

写真は3枚とも異なる箇所ですが… また3枚目ではプラペーパー部分のパテ埋めをせずにホイールアーチの取り付けをしてしまっています(ミス)。

左側の後輪については、タイヤカバーを設置するためにホイールアーチと車体を面一にしています。

※パテはタミヤのラッカーパテを使用しています(画像でグレーの部分。以下特記ないものも同様)。

■パネルライン、グリルの加工


ワンステップは全体的にパネルラインが低いので、元のものをパテで埋めて彫り直し。縦方向のパネルラインも一部異なるので修正しました(写真では後述する車体切り継ぎ、側面窓拡大等も行っています)。

スジ彫りは月世 サテライトツールスのペンライナーを使用しています(スジ彫り道具を探していた時たまたま店頭にこれがあったため購入したもの。特にこだわりは無い)

同時に側面ウインカーも低い位置に作り直しています(タミヤのt0.2透明プラ板を使用。画像では未取り付け)。位置の低くなった給油口は塗装後にデカールを貼り付けています(表記類貼り付けのところで後述)。


なお実車は車体の下辺が二段重ね?のような形態になっていますが、加工に手間がかかる上、個人的には実車のこの部分は殆ど印象に残っていないため今回は省略しています。

<左側面エアコングリル (およびグリルの再現方法)>


この車両はビルトインクーラーのため右側面のホイールベース間のグリルが目立ちます。
このグリルは自作デカールで再現。この車両に限らず、私はバスコレ改造で新規にグリルが必要なときはデカールで再現しています。というのも、

・凹モールドを再現する(移植するor作る)のは手間がかかる
・そもそも実物のグリルは凹んでいる訳ではない

のが理由です。

もちろん製品に元からあるグリルの凹モールドについてはそのまま生かします(何もしないと目立たないのでグレーに塗る(塗装編で後述)デカール貼り付けをしています)。
種車のツーステップにもエアコングリルはありますが、ワンステップとは上下寸法が異なるため流用は不可能、一度埋めて平らにしています。

ただ当時の私は何を血迷ったのか、グリルすぐ上の横方向のパネルラインデカールで作りました。ここはモールドにすればよかったなぁ…と(いずれ修正するつもり)。

<右側面最後部のエンジングリルについて>

日野ブルーリボンは右側面最後部にグリルがありますが、どうやら大きさが2種類あるようです。


U-HTツーステップ


U-HUツーステップ


KC-HUワンステップ

撮影する角度がバラバラで分かりにくいですが、3枚目のKC-HUワンステップは他2枚のU-ツーステップと比べてグリルの上下方向が若干小さい?ように見えます。ただはっきりとは分かりません。そもそもパネルの大きさ(溝の位置)が違ってそう見えている可能性もあります。
この相違点がU-とKC-の差によるものなのか、ツーステ・ワンステによる違いなのかは不明です。

今回の工作ではこの部分が若干違っていても実物の雰囲気を何ら損なうことはないと判断し、グリル、パネル共に細かな検証はせずに製作しました。

オーバーハング部 車体下部の加工

製作するのはワンステップなので、オーバーハング部の車体の処理がツーステップとは変わってきます。


フロントオーバーハングの車体下辺の高さをバンパーと同一にするため、左側面は赤線の位置でカットして切り詰め(写真は切り詰め後)。その後カットした部分が何度か外れたので裏から補強。右側面は単純に車体下部を削りました。


逆にリアオーバーハングホイールベース部分と同じ高さです。それに加えてブルーリボンワンステップ(・ブルーリボンシティ)は角度の大きい切り上げ部が特徴であるため、車体下部を削って角度を整えた後にタミヤのt0.2透明プラ板を細く切って貼り付けています。その後貼り付け部の境目をパテ埋め。

■側面窓拡大

※窓ガラスパーツ自体の製作については後述。

ワンステップは側面窓が大きいので、車体を削って下方向に拡大します。窓下のモールが無くなってしまうので、タミヤのt0.1プラペーパーを細く切って貼り付けました。端の窓柱のモールドも同t0.1プラペーパーで作っています(一部は下方向に拡大したところだけを部分的に継ぎ足していますが… 昔の私の工作は結構適当でした)

なお画像では非常口の窓が小さいままですが、実物のワンステップは周囲の窓と同様に下方向へ拡大されています。製作時点では気づかず小さいままで作ってしまい、完成から約半年後に気づいて修正しました。

※実際には後述する切り継ぎなども含めた車体の加工は同時進行で進めています(でないと作れない)。

■車体切り継ぎ

製作する車両は長尺なのに対し、バスコレのブルーリボンは単尺と中間尺しか出ていないので切り継ぎをしました。

最初に書いた通り、龍神バスの前側と京王バスの後ろ側を使用。

自己流なので、裏からプラ板で裏打ち、接合部分はパテ埋めをしています。本当に上手い人は車体を接合した時点で切り継ぎ跡は消えて、軽く瞬着を盛る(パテ代わりに盛る)だけで出来るそうです。私の加工はあまり参考にしない方が良いかもしれません。

切り継ぎについて、この車両の工作で気づいた注意点(※クリックで拡大)。


左右の切り継ぎ寸法にごく僅かな差が生じてしまった場合、そのまま接着すると完成直後は何も無いように見えても時間が経つにつれ車体が反ってきます

今回の工作では右側面・屋根に対して左側面の寸法が僅かに大きかったようで、接合後しばらく経って左側面が反ってきました。

初めは原因が分かりませんでしたが、作った車両の観察などをしている内に寸法が大きいことで反っているのではないかと思い、完成から約半年後に該当箇所の修正をしました(左側面の車体の切り継ぎ部分を削って調整し、再度接合)。
今では車体はきちんと真っ直ぐになっています。

これ以降私が製作したバスコレの切り継ぎでは、左右どちらかの寸法を若干小さくして意図的に僅かなすき間を空け、それを後でパテ埋めする手法を取っています(左右ピッタリで作れる自信がないため)。上手い人はこんな変なことをしなくても作れるのだと思います。

■屋根のクーラー撤去

実物はビルトインクーラーなので、元のクーラーは撤去します。

しかし種車に適したブルリは当時厄介なことにクーラーと車体が一体成型のタイプしかありませんでした(奈良交通の八木新宮線HUや大阪市営のHIMRなどのビルトインタイプは、前面の形態が異なるので使用不可。今ならバスコレで行こう長電バス関越交通の客貨混載が良さそう)。

撤去した部分に別のブルリの屋根を削ったものを取り付けました(プラ板で裏打ち、継ぎ目をパテ埋め)。

 

■窓ガラス製作

ブルーリボンワンステップの製作で最も困難を極めるのが側面窓ガラスの製作だと思います(ブルーリボンシティワンステップが発売された現在においてもおそらく同様)。

既に書いている通り、ワンステップなので窓の上下寸法は大きめです。さらにこの車両の窓は逆T字の開口部(引違い部)の上下寸法が大きい特徴的な形態になっています。こんな窓は他の車種ではまず見られないので(PKG-以降のエアロスターノンステップの中扉後ろくらい?)、自作で対応しました。

透明プラ板と透明両面テープを使用。透明両面テープは江坂の東急ハンズで購入したものです(何年も前に買ったものなので今も発売されているかどうかは不明)。厚さは0.25mm。



断面図。こういう使い方をしました。

他にはGSIクレオスの「美透明接着剤」を使用する方法もあります。これも使ってみましたが気泡が入りやすかったので、ある程度の大きさの窓パーツなら透明両面テープの方が良さそうです。

窓枠は細く切ったタミヤのt0.2透明プラ板を貼り付け。縦の窓柱と "T字" の部分のみ再現して、周囲の部分は省略(黒塗装のみ)しています。あくまで簡易的な表現です。


製作途中の窓ガラス。両端の白いテープは車体取付け部の厚み調整用(上の図でグレーの部分)。


窓枠を黒く塗装して取り付けたところ。この時点でブルーリボンワンステップの "あの" 雰囲気がかなり出ています。

なお自作の逆T字窓はバスコレ既存製品の窓ガラスパーツと比べると窓枠がどうしても太くなってしまい(単体で見る分には違和感はない)、運転席窓の製品パーツとの間で違和感が生じてしまうため、既存品の運転席窓の窓枠をマジックでなぞって太くし、雰囲気を合わせています。

その他、バスコレでは窓ガラスパーツの下部がシャーシの一部と当たり車体を支える構造になっていますが、窓パーツ自作により窓側のその部分が無くなったため、代わりにプラ板(タミヤのt0.5)を車体内側に貼り付けて支えるようにしています。

<開口部の上下寸法について>

製作時点では実物の写真から開口部と固定窓部の上下寸法は同じと判断しましたが(誤り。後述)、模型で作るときは開口部側を少しだけ大きめにすると良い雰囲気になりました(初めに開口部・固定部を同じ比率で作ったところ「コレジャナイ」感があった)。

…ただ、今回記事を書くにあたって改めて実物の写真を確認したところ、実物でも開口部の方が少し大きいと判明。製作当時は勘違いしていた…ということです。

実物通り(と思っていた)寸法で作ったところ違和感を抱き、アレンジをしたものが結果的には合っていたという訳です。

 

■その他 車体細部

■リアナンバー設置部分

リアの様子(防長バス移籍後)。大型の広告枠が防長でもそのまま使われていた。


実車のリアナンバーはバンパーの中央部分を切り欠いて設置されていました。これは大型の広告を設置するためのもので、近鉄バスの他に南海バスでも見られました。

この部分はバンパーを削りプラ板やプラペーパーを貼り付け、左右にナンバー照射器を取り付けています(照射器は他の車両から移植)。

その他、乗降中表示器をタミヤのt0.2透明プラ板から、バックカメラを同t0.1プラペーパーとt0.2透明プラ板で作製しています(乗降中表示器の塗装については、車体色を塗った後に小さく切って黒く塗ったメンディングテープを貼り付け)。

■タイヤカバー



近鉄バス大阪シティバス奈良交通など主に関西の事業者で見られるタイヤカバー。車種や年式ごとに様々な形状のバリエーションがあり、逆に同形式でも事業者によって形状が違うなど、調べてみると結構沼だったりします。

このタイヤカバーはタミヤのt0.2透明プラ板で製作。薄くて見栄えも良いのでバスコレでタイヤカバーを作るにはおすすめです。

※トレジャータウンでバスコレ改造用のタイヤカバーパーツがありますが、ブルリワンステ用のものは無いため自作しました。

■その他 細部

種車は前面のヘッドライト横に牽引フックのモールドがあるため除去。実車の牽引フックはフロントバンパー内部にあるため、バンパー部の穴を長方形の黒塗装で再現しました(面倒なので凹モールドにはしていない)。

前ドアの上部には足元灯を再現(タミヤのt0.2透明プラ板を細く切って貼り付け)。馴染みのある車両なので作り込みましたが、かなり細かく手間が掛かる割にあまり目立たないので行わない方が良いかもしれません。

その他、中ドア左側のスピーカーをt0.1プラペーパーで作るなどしています。

 

■塗装

塗装中の姿

塗装は筆塗りで、アクリル塗料を使用。

青色:
 Mrカラー 80番 コバルトブルー、赤色(少量)、白色(少量)
 ※Mrカラーのコバルトブルーは光沢タイプのため、表記類の貼り付け後にデカール保護も兼ねて艶消しクリアを吹く必要あり

黄色:
 タミヤカラー XF-3 フラットイエロー、黄緑or緑(ごく少量)、白色(少量)
(メーカー・詳細を明記していない塗料は任意のその系統の色を使用)

前面と側面前輪上の平行四辺形?の模様はマスキングをし塗装で再現。

側面後方のKNの模様はデカールで作成(インクジェット印刷のデカール)。画像データはExcelで作りましたが、画面の表示と実際の印刷にズレが生じたりするので、ちゃんとしたイラスト用のソフトを使った方が良さそうです。

車体にデカールを貼り付け。しかしデカールの印刷の色ムラが目立ったため、デカール貼り付け→クリア吹き付け→上から筆塗りで青色を塗装→(表記類など全て貼り付け後に)再度クリア吹き付けをするという、非常に非効率な作り方になりました。これは失敗だったな…と。耐久性については普通に触った程度では剥がれないのでその点は問題ないんですが…

<エンジングリルの塗装について>

側面後部のエンジングリルは車体色の塗装・クリア吹き付け後にスミ入れペンで塗装。ガンダムマーカーの流し込み式スミ入れペン(グレー)を使用しています。
"たまたま手元にあった" という理由でグリルの凹モールド塗装に使い始めたものですが、隠ぺい力が低いため上から塗っても車体の模様が視認でき、また流し込み用なのでグリルの凹モールドの隅にまでインクが流れてくれます。

ただこのペンは本来溝などのスミ入れ用のものなので、フラットな面に使うには少々コツが要ります。本来の用途と違うのであまりおすすめはできません。

■表記類

表記類は同じく自作デカールで作成(デカールは前述のKN模様を含め、いずれもケイトレーディング社のミラクデカールを使用)。

前述のエアコングリルの他、給油口の蓋、非常口のドアノブ(というのか?)等もデカールで作っています。前面コーナー部のスルッとちゃんステッカーは塗装で再現。

給油口の蓋をデカールにしたのは単に移植するのが面倒だからという理由です。ただし黒色の線にすると "いかにもデカールで作りました" という浮いた感じになるため、グレーにしています。

行先表示は以前バスまつりで購入した近鉄バスの廃品の方向幕を撮影し、それを画像加工して使っています。


車体への貼り付けは、前面はt0.2プラペーパーを行先表示の形状(カマボコ状)に切って両サイドを黒く塗装し、それを介して貼り付け(画像はパッと見では真ん中をくり抜いたようにも見えるがそうではない)。側面と後面はデカールの台紙ごとカットし窓ガラスの内側から貼り付けています。

リアの広告板は見る機会の多かった近鉄バス自社の高速バスの広告を再現。PCで作成し、普通紙に印刷してプラ板に貼ったものを取り付けています。広告が付くと大分賑やかな感じになります。

 

■内装


内装パーツは、別の改造用に入手していた全国バスコレ ジェイアールバス東北のエルガのものを使用(色合いが似ていたため)。

前扉部のステップはプラ板で再現。バスコレの内装パーツは床面がワンステ・ツーステ兼用の中途半端な高さなので、前扉付近だけ床高さを低くしてワンステ相当にしています(未加工の部分とはスロープ状で接続)。前輪上の座席は1つにし、ついでに前輪タイヤハウスをプラ板で作製。その他仕切りを作ったりしています。なおシャーシと内装パーツは分割の必要がないため接着。

後方の通路はプラ板で嵩上げしています(見えないので殆ど意味は無いものの、馴染みのある車両なのでついつい作り込んだ)。

バスコレの内装パーツは中央付近に柱を通すための穴があるので、タミヤのt0.1プラペーパーで埋めました。

運賃箱は前面ガラスからよく見えるのでプラ板で作製。上部を水色で塗装して近鉄バス鳥飼の旧運賃箱をイメージしています。その他床面や運転席付近を塗装しています。

 

■バスコレ走行システムへの対応

動力ユニットを組み込んだ車両

加工した動力ユニット

このバスコレは走行システムの動力ユニットの組み込みにも対応させています。製作時には動力化は考えていなかったものの、完成から数ヶ月に "動力化をして走らせたいな" と思い試してみたところ、意外にも少しの加工で組み込めた… というものです。

路線車で標準尺用のBM02Rを使用しています(高速車用のBM03は通過半径が大きいため使っていない)。2018年当時はまだ市場にバスコレ動力が一応あり、入手することができました(当時既に品薄にはなっていましたが)。

車両は長尺なので、前輪とその周辺パーツを取り外し一部をカット、前寄りにずらして固定しています(前輪のローリング機能が無くなりますが、自分のバスコレ道路でテストした限り実用上の問題はないと判断)。

その他後輪を加工。そのまま取り付けた場合タイヤカバーと干渉するので、ホイールとタイヤを削って薄くし、外れないよう接着剤で固定しています。

それにしてもバスコレ動力、完全に店頭から消えてしまいましたね… このままフェードアウトするのか再販するのかは分かりませんが、せめて何らかのアナウンスは欲しいです。

(2022.11.13追記)
最近になって新しいバスコレ動力の発売がアナウンスされました。バスコレ走行システムという一つの分野が続くようで一安心です。従来品とは仕様が変わるようでその点気になりますが…

 

ということで



非常に思い入れのあった近鉄バスブルーリボンワンステップですが、こうして模型で作って手元で眺められるのは本当に感動モノです。かなり大掛かりな工作でしたが、作って良かったなぁ… と思います。

完成後も気になる点をちょくちょく加工し、実物に近づけています。

ただ本音を言うと、ブルーリボンワンステップがバスコレで出て欲しいと思います(今ならブルーリボンシティが出ているので多少は作りやすいものの)。ブルリに限らずKC-あたりのワンステップ・ノンステップはバスコレから殆ど出ていないので…

<メモ>
2022.11.13  塗装剥離での注意点(赤字部分 うすめ液での漬け置き不可)、動力編でバスコレ動力が新発売となることを追記
2024.01.12  塗装剥離の注意点(赤字部) うすめ液+綿棒でも破損例があることを追記